「同調圧力」という本

読みながらうなずいてしまう

鴻上尚史さんと佐藤直樹さんの対談の形で書かれています。新型コロナ禍のなかで明らかになった、日本社会の構造について書かれています。副題は「日本社会はなぜ息苦しいのか」です。今、これだけでなく同調圧力という言葉を使った本はいっぱい出版されています。でも、筆者の視点はおもしろいです。日本には社会=Societyとは別に世間というものが存在しており、生活の中では大きな部分を占めている。社会ではなく、世間が同調せよとか忖度せよとかの圧力をかけてくる。社会生活をおくるには法律とある一定のマナーだけで済むはずなのに、皆と同じようにしなければ、世間が許さない、とてもけったいな国である。という事を述べられています。息苦しいのはそのためでしょう。筆者はそれがための、自殺者、特に若者の自殺の多さを嘆いておられます。

とても考えさせられる

社会秩序を守るには、法律、規則さえあればいいはずです。でも、日本の国ではそうじゃない。別に違反してるわけでもないのに、別の基準を持ち出すから、無茶苦茶になってくる。普段生活していてどうですか?世間が許さないだの、世間体がわるいだの、皆と一緒にせよという圧力がかかります。芸能人が不倫などしたあかつきには、別に法律を犯したわけじゃないのに芸能リポーターがよってたかって、袋叩きに会います、あれこそ世間ですね。最近自粛警察を見ていて、第二次大戦中の国防婦人会を思い起させます。女性がパーマなどあてた時には、このご時世に何たるふしだらななんてね。今は、あそこのお店営業してるのは不届き千万、なんてやってますよ。外国には、社会しかないので外国人にはわからないのではないでしょうか、政府が厳しく取り締まってないのに、感染が諸外国に比べて少ないのは、日本人の倫理観が高いからじゃないか、とか外国に言われてもぞっとしますね。世間の目が怖いからだけですよ。

とても考えさせられる本です。おもしろいです。おすすめします。

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